どうなる郵政三事業
15年前、大学を卒業した私は、郵政省に就職した。
その後、岡山県庁へ出向したり、郵政省の名称が「総務省」に変わったり、政治家を志したり。。。
紆余曲折を経ているが、私の仕事の原点は「郵政」である。
これからも国民共有の財産である「郵便局」をいかに良くしてゆくかは、私のライフワークだと思っている。
そんなことから、ここ数日、郵便局を回って歩いている。
選挙区内だけでも100以上ある郵便局を、1局1局回らせてもらっている。
局長さんや局員さんのお話を伺う中で、皆さん共通して、郵政三事業(郵便・貯金・保険)の今後に大きな不安を抱いている。
小泉氏の「郵政民営化」は、国民の皆さんの大きな支持を得たように見えるが、果たして本当にそうだろうか?
3年前の衆議院選挙。結果は確かに小泉自民党の圧勝だった。
しかし、この結果は、小選挙区制度の「妙」によるものだ。
与党(自民党・公明党)の得票は、比例代表で51.5%、小選挙区で49.1%に過ぎない。
衆議院選挙直後行われた世論調査(共同通信社)でも、郵政民営化については、「すぐに民営化すべき」は37.1%に過ぎず、「慎重に議論すべき」が53.4%であった。
これらの数字を見れば、前回の衆議院選挙において、国民は必ずしも「郵政民営化」に投票したわけではない。
小泉氏のただならぬ意気込みや、改革を阻もうとする抵抗勢力への嫌悪感が、このような圧勝劇を生み出したと見るべきだ。
にもかかわらず、小泉氏は、現場で働く郵政職員やお客様である国民の声には全く耳を傾けず、「郵政潰し」の暴挙に出た。
郵政事業を、「郵便」・「貯金」・「保険」の3つの会社に分断し、更に「窓口ネットワーク会社」なる、およそ荒唐無稽な会社を創り出し、4分社化という、常識では考えられないような制度設計を行った。
民営化から8ヶ月。
このような「めちゃくちゃな」制度の下、よく郵便局が維持されていると思う。
これは、お世辞でも何でもなく、郵政職員の能力が高いから、何とかサービスが維持できているだけであり、制度としては破綻していると思う。
小泉氏が「郵政民営化」にこだわった理由は、いろいろ言われている。
小泉郵政大臣が就任した年、私は郵政省に入省した。
当時から郵政民営化論者であった小泉郵政大臣に対して、郵政官僚の対応は冷たかった。
いつもであれば、就任後すぐに用意する記者会見用の「質疑応答集」を作成しなかった。
そのことを未だに恨みに思っているのか?
一貫して米国のいいなりであった小泉氏。
ブッシュ大統領が、米国大手生命保険会社の意向を背景に、強力に郵政解体を目論んでいたことは、周知の事実だ。
いずれにしても、そんないい加減な理由で、本当にお客様から愛されてきた郵便局を無くしてしまうことには我慢ができない。
今の制度の下では、過疎地の郵便局は間違いなく潰れる。
そればかりか、貯金・保険事業会社の株式が売却され、いよいよ三事業がばらばらとなった暁には、郵便局そのものの存亡が危ぶまれる。
過ちては即ち改むるに憚ること勿れ
少なくとも、株式売却は取りやめ、4分社化は廃止し、
郵政三事業は一体で行うべきである。
これからも、郵政省出身者として、郵便局が国民の皆様(お客様)に「より良いサービス」を提供できる環境を創ってゆきたい。
