薬害肝炎
薬害肝炎の原告と政府との和解が成立した。
「薬害肝炎救済特別措置法」が可決し、薬害C型肝炎の患者の一律救済が可能となったことを受けてのことである。
実名を公表し、必死に闘う原告の皆さんの姿に、多くの国民は胸を打たれたことと思う。
結果として、このような良い方向となったが、それにしても、政府の対応の遅さ、とりわけ、官僚の言いなりでしかない政治家のだらしなさが目立った一件であった。
私も官僚出身であるため、官僚がなかなかこうした事例を認めたくないのは良く分かる。
官僚の世界では前例が全てであるし、特例を認めることにより、官僚の世界の秩序が壊れることを極度に嫌がる。
前例を守った官僚が評価され、破った官僚は失格の烙印を押されるのが官僚の世界だ。
官僚だって、個人的には、「患者さんを救済したい」という義勇心はあるのだが、しかし、組織としてはそれができないジレンマがある。
それをできるのは政治である。
政治には、国民感情を背景に、「政治判断」という官僚たちの理屈を超えた措置ができるのだ。
政治家に求められていることは、官僚のいいなりになることではない。
官僚たちにはできない「政治判断」をすることだ。
今回はこのような良い結果となったが、これが果たして、参議院選挙で民主党が勝利していなかったら、「ねじれ国会」もない、自民党の独裁状態であったら、福田総理は官僚たちの反対を押し切ってこのような英断を下すことができたであろうか。
常に、「政権交代があるかもしれない」という緊張感が、自民党の視線を国民の目線に向けさせているのだ。
政治には常に緊張感が必要なのだ。
国民の支持を失えば、いつでも政権交代が起きる。
そういう緊張感のある二大政党制を早く創り上げ、一日でも早く、「真の民主主義」を実現したい。